部署 | 病棟種別 | 病床数 | 職員 |
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外来 | 精神科・神経内科 | ー | 看護師 |
1病棟2階 | 精神科急性期病棟 | 50 | 看護師 介護福祉士 看護補助者 |
1病棟3階 | 精神科一般・身体合併症病棟 | 50 | |
2病棟2階 | 認知症治療病棟 | 60 | |
2病棟3階 | 精神科一般病棟 | 60 | |
3病棟1階 | 精神科一般病棟・知的障害病棟 | 50 | |
3病棟2階 | 精神療養病棟 開放病棟 | 50 |
当院の外来は一日平均90~100名、月に約2200名の患者さまが受診されています。精神科一般の他に「思春期外来」や「物忘れ外来」という専門外来があることから、1才から100才超の方まであらゆる年代の精神科医療を担っています。
小児の発達障害や神経症、成人では統合失調症、うつ病などの感情障害、不安神経症、適応障害など、高齢者では不眠症や認知症が多いです。特に認知症の患者さまは時代を反映して外来も入院も多くなっています。
外来では認知症の早期発見への取り組みを行い、検査診療体制を充実させています。外来看護師は患者さまの背景や思いを傾聴し、臨機応変に対応できる看護実践能力を高めるよう努力研鑽しています。精神疾患の患者さまの多くは長期の通院を要します。そのため看護師は患者さまやご家族の方と日々のコミュニケーションを大切にして信頼関係を築き、患者さまの小さな変化にも気づけるよう意識して関わっています。また患者さまが障害を持ちながらも地域でその人らしく過ごせるよう、隠れた能力を引き出していけるよう多職種チームで介入サポートしています。
診察予約日に来られなかった場合は通院状況を把握し、電話訪問で受診を促したり、関係機関に情報提供をしたりして、協力を依頼しています。
入院時や退院時には病棟と連絡を取り合い、安心して当院で治療を続けられるよう継続看護に取り組んでいます。
急性期治療病棟である当病棟では、入院から3か月以内での退院を目指し看護を展開しています。そのため、入院時から退院を見据え、患者さまの病状はもとより家族の生活状況を医師、看護師、精神保健福祉士等のチームで共有し、患者さまの治療や回復過程に合わせて必要な看護・支援を提供することが必要になります。そこで、新規入院、1ヵ月目、2ヵ月目のカンファレンスを多職種で実施し、現状の確認と問題点、今後必要な支援の確認をおこなっています。
必要な時は、退院前訪問として患者さまと一緒に自宅や施設に出向き、現地で行政、ケアマネージャー等と連携し、安心して地域で生活するための環境、サービスなどの確認をしています。また、家族を交えて心理教育や服薬指導、本人には服薬自己管理と積極的な治療への参加を促しています。
病棟には入院して間もない急性症状の著しい患者さまや認知症患者さまもいらっしゃいます。患者さまの出来る能力に目を向け、積極的に看護・ケアを行っています。令和4年5月に新たに病棟が移転し、設備の面でも強化されました。これからもその人らしい回復を目指し、患者さま、ご家族に寄り添い支援していきたいと思っています。
1病棟2階に位置する50床の精神一般病棟です。当病棟には急性期から慢性期の患者さまが入院されており、近年では高齢化が進み認知症患者さまの入院も多くなってきています。ご高齢の方の中には身体疾患を合併されている患者さまも多く嚥下機能の低下から肺炎を併発されたり、イレウスを併発されたりする場合もあり、全身状態の観察やケアも必要となっています。
令和4年5月に新病棟に移転し、ロビーの広々とした窓からは外の景色が一望でき、四季の移り変わりを感じながら、患者さまとレクリエーションやOT活動を行っています。
また、患者さまのADLを出来るだけ維持し、一人でも多くの方に施設や自宅に退院できるように多職種と協働し、退院支援にも力を注いでいます。
この病棟で目指す看護は「その人らしさを支える」看護です。カンフォータブルケアに取り組み、常に笑顔で丁寧な関わりが出来るように努め、その人があるべき姿をどう支えるのかを日々話し合っています。行動障害、BPSD、終末期における対応を勉強会や多職種とのカンファレンスで情報共有し、前に進めるように日々努力を重ねていきたいと考えています。
当病棟は認知症の患者さまを対象とした認知症治療病棟です。
入院患者さまは、アルツハイマー型認知症、血管性認知症の方が多くを占めます。年齢層は60代から80代と高齢で身体合併症を伴う患者さまが多くおられます。また、認知症症状と共に身体症状の変化を訴える事が出来ない事が多く、十分な観察とケアが必要です。
看護をする上で当病棟では「カンフォータブルケア」に力を入れています。カンフォータブルケアとは患者さまに「心地よい」と感じる刺激を提供する事で、周辺症状を軽減するためのケア技術です。毎日、笑顔で優しくゆっくりと関わることを大切に、チーム一丸となって看護を行っています。
また、専従の作業療法士と協力し、レクリエーション、リハビリの充実、回想法等、生活機能回復訓練を実施しています。身体機能の低下を予防し、1人でも多くの患者さまが地域に退院できるように、他部門と連携して患者さまとご家族を支援しています。
当病棟は60床を有する精神一般病棟です。医療的処置が必要な方や、退院に向けてリハビリを受けておられる方など様々な患者さまが療養されています。
医師、看護師、精神保健福祉士、作業療法士、臨床心理士といった多職種でカンファレンスを開催し、患者さまのストレングス(強み)や意向を尊重しながら支援方法について検討しています。また、地域の支援機関や行政機関と連携しながら、ピアサポーターとの交流会や施設見学など実施し、院内でも服薬管理、調理、洗濯、掃除などの能力をアセスメントして個別的な退院支援プログラムを実施しています。
教育の取り組みとして、患者虐待防止・接遇向上の一環で、病棟職員全員でアサーティブコミュニケーション習得を目指しています。自分のことも相手のことも大切にしたアサーティブな自己表現ができることで、患者さまはもちろんのこと、職員間においてもお互いを尊重して、適切な方法で自分の考えや主張を率直に伝えあうことができるよう日々努めています。
3病棟1階は知的しょう害の患者さまをはじめ、認知症、統合失調症など様々な疾患の患者さまが入院されています。入院期間が長期となっている方も少なくなく、治療の場であると同時に生活の場にもなっています。
私たち看護スタッフは、症状の改善や生活機能回復を目指し日々取り組んでいます。特にレクリエーション療法に力を入れ、病棟スタッフと作業療法士が中心となり、アロマセラピー・ゲーム・カラオケなどを開催しています。年間行事では盆踊り・クリスマス会が開催されます。レクリエーションに取り組んでいる患者さまの笑顔は職員の励みにもなっています。他にも日常から患者さまの特性に合わせ、動物や植物などのDVDをロビーで流しています。TVとは違い、静かな時の流れを感じていただくことで、患者さまに癒しの空間を提供しています。
また、当病棟には皮膚の脆弱な患者さまも多いため、全身の観察・フットケア等を実施し、皮膚ケアに重点をおいた取り組みもなっています。患者さまの高齢化で介助が必要な方が多数おられますが、患者さまの個々のペースに合わせ、ご本人、ご家族に安心していただける看護をしていきたいと考えています。
当病棟は男女混合の精神療養病棟で、病院で唯一の開放病棟です。
慢性期の方が入院されているので症状は落ち着いていますが、意欲低下のある方もおられます。ゆっくりと話を聴きながら、その人に合った関わり方で共に考えるように心がけています。
患者さまは日々、散歩や外出をされています。また、他者との交流を通して様々な体験をしたり、季節の移り変わりなども感じたりしながら生活をされています。日用品、お金や薬の自己管理の促進、院内散歩や外出への参加、作業療法、レクリエーションの参加などを通して患者さまの日常生活の支援を行い、『患者さま主体の目標』が達成できるよう日々取り組んでいます。
長期入院に伴い患者さまの高齢化もあるため、こうした『生活』を意識した関わりに重点をおいているところも当病棟の特徴です。そうした関わりを経て、在宅やグループホーム等、社会復帰も目指しており、院内外の多職種と連携をとった支援にも力を入れています。